「京浜臨海部…国際戦略総合特区」にメリットはあるか?―先行した神戸市「医療産業都市構想」は26億円(市の予算)の持ち出し
●2月28日川崎市議会 日本共産党・竹間市議団長の代表質問より
京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区についてです。医療分野の新しい産業を興すために、税制優遇や規制緩和を特別に行おうとするものです。再生医療やがんの治療薬などを新たに開発し、それをもとに新しい産業を興すことで雇用がふえ、税収もふやすという計画です。これらによる経済効果を、県や川崎、横浜両市は4年後には単年度で2,955億円と試算、全国への経済波及効果は約5,000億円になると見込んでいるといいます。しかし、これだけの見込みにどれだけの裏づけ、根拠があるというのでしょうか。
同じように先端医療で産業を興そうと取り組んでいる神戸市では、特区に認定されて9年経過していますが、産業化にはつながっていません。神戸市の医療産業都市構想にはこれまで1,500億円、市費300億円投入され、市が委託した野村総研の経済効果予測では、2010年度、税収効果を26億円と見込んでいましたが、神戸市の2011年度の予算では、歳出30億円に対し歳入は4億円で、差し引き26億円の持ち出しになっているとのことでした。
川崎市はこれまで、仮称産学公民連携研究センター整備や実験動物中央研究所のための土地取得に約23億円、今後、インフラ整備などでどれだけ膨らむかわからないわけです。先行している神戸市で見通しが大幅に乖離している事実を見ても、川崎が神戸の二の舞にならない保証はありません。
●3月15日同市議会 日本共産党・佐野市議の代表討論より
京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区についてです。経済効果を県、川崎、横浜両市は、5年後には2,955億円と試算、全国への経済波及効果は5,000億円と見込んでいるとのことですが、総務委員会での説明でもその根拠は何もなく、触れ込みどおりに事が成就した場合という仮定の話であることも明らかになりました。さらに、代表質問では、20年後の雇用創出23万人、市場創出額14兆円という試算を出しています
しかし、裏づけとなる根拠、資料はほとんどないものです。こうした仮定に仮定を重ねての空想的な数字を掲げること自体、特区構想がまやかしであることをみずから認めているようなものです。神戸市の事例でも、莫大な市費を投入しながら、雇用効果も地域経済効果も想定より大幅に下回っているのみならず、毎年約26億円もの赤字補てんをしている状況で、市民生活向上どころか市財政を圧迫しかねないことが明らかになっています。
破綻したFAZ計画の二の舞になる前に、一刻も早くやめるべきことを強く求めておきます。
ーーと、こんな具合です。これからもちょくちょく資料置き場を活用しようかと思います。
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